飲食店営業許可 Q&A
お答えします
食品衛生責任者の資格は、二つの道で得られます。一つは、調理師、製菓衛生師、栄養士、管理栄養士などの資格を持っていることです。この場合は講習を受けずに食品衛生責任者になれます。もう一つは、都道府県知事等が行う講習会か、知事等が適正と認める講習会を受講することです。実際には各都道府県の食品衛生協会が実施する養成講習会を受ける形が多く、受講料と受け方は都道府県で違います。一度資格を得れば更新はなく、定期的な受講は努力義務です。営業者本人が食品衛生責任者を兼ねることもできます。
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一解説
食品衛生法51条1項1号は、営業者が守るべき「公衆衛生上必要な措置」の基準を厚生労働省令に委ねています。その省令が食品衛生法施行規則で、66条の2第1項が基準の中身を別表第十七に置いています。別表第十七の第一号イは、営業を行う者に対して、食品衛生責任者を定めることを求めています。
つまり食品衛生責任者は、国家試験で与えられる免許ではありません。営業者が、省令の定める要件に当たる人の中から、店ごとに定める人です。営業者本人がその要件に当たるなら、本人が食品衛生責任者を兼ねることができます。
この定めは、都道府県の条例ではなく厚生労働省令に置かれた全国共通のものです。以前は都道府県の条例に根拠がありましたが、いまは省令が根拠です。
別表第十七の第一号ロは、食品衛生責任者になれる人を三つに分けています。最初の二つは、資格や職歴で足りる人です。
一つ目は、食品衛生監視員または食品衛生管理者の資格要件を満たす人です。食品衛生監視員の要件は食品衛生法施行令9条に、食品衛生管理者の要件は食品衛生法48条6項にあります。医師、歯科医師、薬剤師、獣医師のほか、大学などで医学、歯学、薬学、獣医学、畜産学、水産学または農芸化学の課程を修めて卒業した人などが当たります。
二つ目は、調理師、製菓衛生師、栄養士、管理栄養士、船舶料理士、と畜場法の衛生管理責任者または作業衛生責任者、食鳥処理衛生管理者です。飲食店の開業で多いのは、調理師か栄養士の資格をお持ちの場合です。
これらの人は、講習会を受けずに食品衛生責任者になれます。許可の申請では、資格の種類を申請書に書きますので、免許証などの写しを手元に用意しておきます。
三つ目が、講習会を受けた人です。別表第十七の第一号ロ(3)は、都道府県知事等が行う講習会、または都道府県知事等が適正と認める講習会を受講した者と定めています。ここでいう「都道府県知事等」には、保健所を設置する市の市長と特別区の区長が含まれます。
実際には、各都道府県の食品衛生協会が実施する養成講習会を、知事等が適正と認める形が多くとられています。会場に集まる講習と、インターネットで受ける講習のどちらを選べるか、受講料がいくらか、申込先がどこかは、都道府県ごとに違います。お住まいの都道府県のページに、講習会の受け先をまとめています。
受講の時期は、許可の申請より前です。施行規則67条4号のとおり、許可の申請書には、食品衛生責任者の氏名、資格の種類、受講した講習会を書きます。申請の時点で食品衛生責任者が決まっている必要がありますので、開店の予定から逆算して、講習会の日程を先に押さえてください。
講習会を受けて食品衛生責任者になったあと、資格に期限はなく、更新の手続もありません。ただし、別表第十七の第一号ハ(1)には、定期的な受講の定めがあります。知事等が行う講習会または知事等が認める講習会を定期的に受講し、新しい知見の習得に努めることです。これは努力義務で、受けなければ資格を失うものではありません。実務講習会と呼ばれることが多く、案内は食品衛生協会から届きます。
食品衛生責任者が変わったときは、施行規則71条により、施設の所在地を管轄する都道府県知事等へ速やかに届け出ます。店を続けたまま責任者だけ交代する場合も、この届出が要ります。
名前の似た「食品衛生管理者」は、別の制度です。食品衛生法48条1項は、乳製品など製造や加工の過程で特に衛生上の考慮を必要とする食品を製造または加工する営業者に、施設ごとに専任の食品衛生管理者を置くことを求めています。飲食店営業には、この義務はありません。
両方の語が出てくる場面もあります。別表第十七の第一号イのなお書きのとおり、食品衛生管理者は食品衛生責任者を兼ねることができます。また、48条6項の資格要件を満たす人は、講習を受けずに食品衛生責任者になれます。飲食店を開く方が確かめるのは、食品衛生責任者の側です。
別表第十七の第一号イのただし書は、施行規則66条の2第4項に挙げられた営業者を、食品衛生責任者を定める義務から外しています。食品や添加物の輸入をする営業、貯蔵や運搬だけをする営業、冷凍や冷蔵によらずに保存しても衛生上の危害のおそれがない包装食品だけを売る営業、器具や容器包装の輸入や販売をする営業です。
飲食店営業は、食品を調理し、または設備を設けて客に飲食させる営業ですので、この例外には入りません。店を開くなら、食品衛生責任者は必ず定めます。
※本記事は制度の一般的な説明です。個別の事情への当てはめは、行政書士または店舗の所在地を管轄する保健所にご確認ください。
二一次情報
食品衛生法 第51条(公衆衛生上必要な措置——一般衛生管理とHACCPの基準は厚生労働省令で定める)
第五十一条 厚生労働大臣は、営業(器具又は容器包装を製造する営業及び食鳥処理の事業を除く。)の施設の衛生的な管理その他公衆衛生上必要な措置(以下この条において「公衆衛生上必要な措置」という。)について、厚生労働省令で、次に掲げる事項に関する基準を定めるものとする。
一 施設の内外の清潔保持、ねずみ及び昆虫の駆除その他一般的な衛生管理に関すること。
二 食品衛生上の危害の発生を防止するために特に重要な工程を管理するための取組(小規模な営業者その他の政令で定める営業者にあつては、その取り扱う食品の特性に応じた取組)に関すること。
2 営業者は、前項の規定により定められた基準に従い、厚生労働省令で定めるところにより公衆衛生上必要な措置を定め、これを遵守しなければならない。
3 都道府県知事等は、公衆衛生上必要な措置について、第一項の規定により定められた基準に反しない限り、条例で必要な規定を定めることができる。
食品衛生法 第48条(食品衛生管理者——第6項の資格要件を満たす者は講習会なしで食品衛生責任者になれる)(抜粋)
第四十八条 乳製品、第十二条の規定により内閣総理大臣が定めた添加物その他製造又は加工の過程において特に衛生上の考慮を必要とする食品又は添加物であつて政令で定めるものの製造又は加工を行う営業者は、その製造又は加工を衛生的に管理させるため、その施設ごとに、専任の食品衛生管理者を置かなければならない。ただし、営業者が自ら食品衛生管理者となつて管理する施設については、この限りでない。
6 次の各号のいずれかに該当する者でなければ、食品衛生管理者となることができない。
一 医師、歯科医師、薬剤師又は獣医師
二 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学、旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)に基づく大学又は旧専門学校令(明治三十六年勅令第六十一号)に基づく専門学校において医学、歯学、薬学、獣医学、畜産学、水産学又は農芸化学の課程を修めて卒業した者(当該課程を修めて同法に基づく専門職大学の前期課程を修了した者を含む。)
三 都道府県知事の登録を受けた食品衛生管理者の養成施設において所定の課程を修了した者
四 学校教育法に基づく高等学校若しくは中等教育学校若しくは旧中等学校令(昭和十八年勅令第三十六号)に基づく中等学校を卒業した者又は厚生労働省令で定めるところによりこれらの者と同等以上の学力があると認められる者で、第一項の規定により食品衛生管理者を置かなければならない製造業又は加工業において食品又は添加物の製造又は加工の衛生管理の業務に三年以上従事し、かつ、都道府県知事の登録を受けた講習会の課程を修了した者
食品衛生法 第76条(保健所を設置する市・特別区の読替——許可を出すのは市長・区長)
第七十六条 第四十八条第八項、第五十五条、第五十六条第二項(第五十七条第二項において読み替えて準用する場合を含む。)、第五十七条第一項、第五十八条、第五十九条、第六十条第一項、第六十一条及び第六十九条中「都道府県知事」とあるのは、保健所を設置する市又は特別区にあつては、「市長」又は「区長」とする。ただし、政令で定める営業に関する政令で定める処分については、この限りでない。
食品衛生法施行令 第9条(食品衛生監視員の資格——この要件を満たす者は講習会なしで食品衛生責任者になれる)(抜粋)
第九条 食品衛生監視員は、次の各号のいずれかに該当する者でなければならない。
一 都道府県知事の登録を受けた食品衛生監視員の養成施設において、所定の課程を修了した者
二 医師、歯科医師、薬剤師又は獣医師
三 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学若しくは高等専門学校、旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)に基づく大学又は旧専門学校令(明治三十六年勅令第六十一号)に基づく専門学校において医学、歯学、薬学、獣医学、畜産学、水産学又は農芸化学の課程を修めて卒業した者(当該課程を修めて同法に基づく専門職大学の前期課程を修了した者を含む。)
四 栄養士又は管理栄養士で二年以上食品衛生行政に関する事務に従事した経験を有するもの
食品衛生法施行令 第34条の2(小規模な営業者等——飲食店営業は「取り扱う食品の特性に応じた取組」の側。飲食店営業の定義もここにある)
第三十四条の二 法第五十一条第一項第二号の政令で定める営業者は、次のとおりとする。
一 食品を製造し、又は加工する営業者であつて、食品を製造し、又は加工する施設に併設され、又は隣接した店舗においてその施設で製造し、又は加工した食品の全部又は大部分を小売販売するもの
二 飲食店営業(食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる営業をいう。次条第一号において同じ。)又は調理の機能を有する自動販売機(容器包装に入れられず、又は容器包装で包まれない状態の食品に直接接触するものに限る。同条第二号において同じ。)により食品を調理し、調理された食品を販売する営業を行う者その他の食品を調理する営業者であつて厚生労働省令で定めるもの
三 容器包装に入れられ、又は容器包装で包まれた食品のみを貯蔵し、運搬し、又は販売する営業者
四 前三号に掲げる営業者のほか、食品を分割して容器包装に入れ、又は容器包装で包み、小売販売する営業者その他の法第五十一条第一項第一号に規定する施設の内外の清潔保持、ねずみ及び昆虫の駆除その他一般的な衛生管理並びに同項第二号に規定するその取り扱う食品の特性に応じた取組により公衆衛生上必要な措置を講ずることが可能であると認められる営業者であつて厚生労働省令で定めるもの
食品衛生法施行規則 第66条の2(公衆衛生上必要な措置の基準——第1項が別表第十七へ委ね、第4項が食品衛生責任者を置かなくてよい営業者を定める)(抜粋)
第六十六条の二 法第五十一条第一項第一号(法第六十八条第三項において準用する場合を含む。)に掲げる事項に関する同項の厚生労働省令で定める基準は、別表第十七のとおりとする。
3 営業者は、法第五十一条第二項(法第六十八条第三項において準用する場合を含む。)の規定に基づき、前二項の基準に従い、次に定めるところにより公衆衛生上必要な措置を定め、これを遵守しなければならない。
一 食品衛生上の危害の発生の防止のため、施設の衛生管理及び食品又は添加物の取扱い等に関する計画(以下「衛生管理計画」という。)を作成し、食品又は添加物を取り扱う者及び関係者に周知徹底を図ること。
二 施設設備、機械器具の構造及び材質並びに食品の製造、加工、調理、運搬、貯蔵又は販売の工程を考慮し、これらの工程において公衆衛生上必要な措置を適切に行うための手順書(以下「手順書」という。)を必要に応じて作成すること。
三 衛生管理の実施状況を記録し、保存すること。なお、記録の保存期間は、取り扱う食品又は添加物が使用され、又は消費されるまでの期間を踏まえ、合理的に設定すること。
四 衛生管理計画及び手順書の効果を検証し、必要に応じてその内容を見直すこと。
4 次に掲げる営業者については、前項第一号中「作成し、」とあるのは「必要に応じて作成し、」と、同項第三号中「記録し、保存すること。」とあるのは「必要に応じて記録し、保存すること。」と読み替えて、同項の規定を適用する。
一 食品又は添加物の輸入をする営業を行う者
二 食品又は添加物の貯蔵のみをし、又は運搬のみをする営業を行う者(食品の冷凍又は冷蔵業を営む者を除く。)
三 容器包装に入れられ、又は容器包装で包まれた食品又は添加物のうち、冷凍又は冷蔵によらない方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の品質の劣化により食品衛生上の危害の発生のおそれのないものの販売をする営業を行う者
四 器具又は容器包装の輸入をし、又は販売をする営業を行う者
食品衛生法施行規則 別表第十七 第一号(食品衛生責任者等の選任——現行の全文 イからヘまで。資格要件・講習会・定期受講の努力義務)(抜粋)
一 食品衛生責任者等の選任
イ 法第五十一条第一項に規定する営業を行う者(法第六十八条第三項において準用する場合を含む。以下この表において「営業者」という。)は、食品衛生責任者を定めること。ただし、第六十六条の二第四項各号に規定する営業者についてはこの限りではない。なお、法第四十八条に規定する食品衛生管理者は、食品衛生責任者を兼ねることができる。
ロ 食品衛生責任者は次のいずれかに該当する者とすること。
(1) 法第三十条に規定する食品衛生監視員又は法第四十八条に規定する食品衛生管理者の資格要件を満たす者
(2) 調理師、製菓衛生師、栄養士、管理栄養士、船舶料理士、と畜場法(昭和二十八年法律第百十四号)第七条に規定する衛生管理責任者若しくは同法第十条に規定する作業衛生責任者又は食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律(平成二年法律第七十号)第十二条に規定する食鳥処理衛生管理者
(3) 都道府県知事等が行う講習会又は都道府県知事等が適正と認める講習会を受講した者
ハ 食品衛生責任者は次に掲げる事項を遵守すること。
(1) 都道府県知事等が行う講習会又は都道府県知事等が認める講習会を定期的に受講し、食品衛生に関する新たな知見の習得に努めること(法第五十四条の営業(法第六十八条第三項において準用する場合を含む。)に限る。)。
(2) 営業者の指示に従い、衛生管理に当たること。
ニ 営業者は、食品衛生責任者の意見を尊重すること。
ホ 食品衛生責任者は、第六十六条の二第三項に規定された措置の遵守のために、必要な注意を行うとともに、営業者に対し必要な意見を述べるよう努めること。
ヘ ふぐを処理する営業者にあつては、ふぐの種類の鑑別に関する知識及び有毒部位を除去する技術等を有すると都道府県知事等が認める者にふぐを処理させ、又はその者の立会いの下に他の者にふぐを処理させなければならない。
食品衛生法施行規則 第67条(営業の許可の申請——申請書の記載事項。第4号に食品衛生責任者の氏名・資格の種類・受講した講習会)
第六十七条 法第五十五条第一項の規定による営業の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書をその施設の所在地を管轄する都道府県知事等に提出しなければならない。
一 申請者の氏名(ふりがなを付す。)、生年月日及び住所(法人にあつては、その名称(ふりがなを付す。)、所在地及び代表者の氏名(ふりがなを付す。))
二 施設の所在地(自動車において調理をする営業にあつては、当該自動車の自動車登録番号)及び名称、屋号又は商号(ふりがなを付す。)
三 申請する営業の種類、形態及び主として取り扱う食品又は添加物に関する情報
四 食品衛生管理者又は食品衛生責任者の氏名(ふりがなを付す。)、資格の種類及び受講した講習会
五 施設の構造及び設備を示す図面(水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)第三条第二項に規定する水道事業、同条第六項に規定する専用水道及び同条第七項に規定する簡易専用水道により供給される水以外の飲用に適する水(以下別表第十七及び別表第十九において「飲用に適する水」という。)を使用する場合にあつては、同法第二十条第三項に規定する地方公共団体の機関又は国土交通大臣及び環境大臣の指定する者の行う当該使用しようとする水に係る水質検査の結果を証する書類の写しを含む。)
六 食品衛生上の危害の発生を防止するために特に重要な工程を管理するための取組又は取り扱う食品の特性に応じた取組の種別(令第三十五条各号に掲げる営業の許可の有効期間満了に際し引き続き営業の許可を受けようとする場合に限る。ただし、同条第二十六号又は第二十八号に掲げる営業の許可を申請する者にあつては、新規に申請をする場合を含む。)
七 法第五十五条第二項各号のいずれかに該当することの有無及び該当するときは、その内容
食品衛生法施行規則 第71条(変更の届出——食品衛生責任者の氏名等が変わったときは速やかに届け出る)
第七十一条 許可営業者又は届出営業者は、第六十七条第一号から第六号まで(第二号にあつては自動車登録番号及び名称、屋号又は商号に限り、第三号にあつては営業の種類を除く。)に掲げる事項、第六十七条の二第一項第一号(生年月日を除く。)、第六十八条第一項第一号(生年月日を除く。)、第六十九条第一項第一号若しくは第七十条第一項第一号(それぞれ前条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる事項又は前条第一項第一号から第四号まで(第二号にあつては、自動車登録番号及び名称、屋号又は商号に限る。)に掲げる事項に変更があつたときは、その施設の所在地を管轄する都道府県知事等に速やかに届け出なければならない。
※引用は原文のままです。読みやすさのため改行位置を調整し、一部を抜粋している箇所があります。最新の内容は必ず出典元のページでご確認ください。
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